即興二次(お題:部屋とYシャツと結末)
普段使っているアパレルショップでマネキンの着ている雰囲気がよかったから、大きめのシャツを買った。
いつもより2サイズも大きなものを選んだから店員が気を利かせてプレゼント用の包装紙を出してきたが俺は苦笑いでそれを断った。
これはこの間の台風の日に、雨に降られて犬みたいにうちに逃げ込んできた葉隠の為に買ってやったんだ。
俺が玄関を開けるなり、勝手に部屋に上がりこんで勝手に風呂を使ったあと、俺のクローゼットの中身を全部ひっくり返しても自分のサイズに合う服がなくて寒がっていた。
「桑田っちは小さすぎんべ」
葉隠は馴れ馴れしかった。その日、葉隠が俺のうちを訪ねてきたとき、俺は葉隠とは高校を卒業して以来6年ぶりの再会だったが、会うや否やこんな感じだった。
なにしに来たんだ。散らかされた服を拾いながら俺が不機嫌になってそう訊くと、葉隠は笑って、なにが楽しいのか声をあげて笑って俺を羽交い絞めにして抱きついた。
久しぶりだと思った。そんな風に肌の触れ合う悪ふざけは高校のとき以来だ。高校のとき、俺は既にゲイだったから一番身近にいたこの男に告白して、それでふられたんだった。葉隠を選んだのは、懐っこくて可愛かったのと体が一番出来てたからだ。クラスメイトの中でひとり2年ダブって年上だった葉隠は普通に大人の男の体つきをして格好よかった。
俺は葉隠とセックスがしたかったんだと思う。
葉隠に抱きつかれて俺はとっさにそういうことをぐるぐる思い出した。葉隠は服を着ていない。意識するなり頭がカッとなった。
俺はその瞬間すごくやばいと感じて、葉隠を部屋から追い出そうと思った。出て行け、と本当にもう少しでそう言うところで葉隠はそれを察知したんだろう。
甘えた声で俺の首に腕を回し絡めて、言った。
「暖まりてぇよ」
そんで俺はもうだめだった。
セックスをしたあと葉隠は、俺にまた来ていいかと訊いた。頬に口をつけられると剃刀をあてていない無精ひげがちくちくした。
嬉しくないふりが俺は上手く出来ていたのか分からない。でも多分見透かされていたんだろう。俺がセックスに飢えてる可哀想なホモ野郎だってことは。
通帳といくらかの現金がなくなっていることに気付いたのは俺が浮かれてあいつの為にシャツなんて買ってきた後だった。
プレゼント用の包装を断ってよかった。
ブランドの紙袋から不織布の保護袋を取り出して、ぐしゃぐしゃに丸めると俺はそれを投げ捨てた。新品のシャツは狙い違わずまっすぐにダストボックスに飛んでいくと袖の端だけ未練たらしく縁に垂らして、後は全部ゴミ袋の中に落ちた。
普段使っているアパレルショップでマネキンの着ている雰囲気がよかったから、大きめのシャツを買った。
いつもより2サイズも大きなものを選んだから店員が気を利かせてプレゼント用の包装紙を出してきたが俺は苦笑いでそれを断った。
これはこの間の台風の日に、雨に降られて犬みたいにうちに逃げ込んできた葉隠の為に買ってやったんだ。
俺が玄関を開けるなり、勝手に部屋に上がりこんで勝手に風呂を使ったあと、俺のクローゼットの中身を全部ひっくり返しても自分のサイズに合う服がなくて寒がっていた。
「桑田っちは小さすぎんべ」
葉隠は馴れ馴れしかった。その日、葉隠が俺のうちを訪ねてきたとき、俺は葉隠とは高校を卒業して以来6年ぶりの再会だったが、会うや否やこんな感じだった。
なにしに来たんだ。散らかされた服を拾いながら俺が不機嫌になってそう訊くと、葉隠は笑って、なにが楽しいのか声をあげて笑って俺を羽交い絞めにして抱きついた。
久しぶりだと思った。そんな風に肌の触れ合う悪ふざけは高校のとき以来だ。高校のとき、俺は既にゲイだったから一番身近にいたこの男に告白して、それでふられたんだった。葉隠を選んだのは、懐っこくて可愛かったのと体が一番出来てたからだ。クラスメイトの中でひとり2年ダブって年上だった葉隠は普通に大人の男の体つきをして格好よかった。
俺は葉隠とセックスがしたかったんだと思う。
葉隠に抱きつかれて俺はとっさにそういうことをぐるぐる思い出した。葉隠は服を着ていない。意識するなり頭がカッとなった。
俺はその瞬間すごくやばいと感じて、葉隠を部屋から追い出そうと思った。出て行け、と本当にもう少しでそう言うところで葉隠はそれを察知したんだろう。
甘えた声で俺の首に腕を回し絡めて、言った。
「暖まりてぇよ」
そんで俺はもうだめだった。
セックスをしたあと葉隠は、俺にまた来ていいかと訊いた。頬に口をつけられると剃刀をあてていない無精ひげがちくちくした。
嬉しくないふりが俺は上手く出来ていたのか分からない。でも多分見透かされていたんだろう。俺がセックスに飢えてる可哀想なホモ野郎だってことは。
通帳といくらかの現金がなくなっていることに気付いたのは俺が浮かれてあいつの為にシャツなんて買ってきた後だった。
プレゼント用の包装を断ってよかった。
ブランドの紙袋から不織布の保護袋を取り出して、ぐしゃぐしゃに丸めると俺はそれを投げ捨てた。新品のシャツは狙い違わずまっすぐにダストボックスに飛んでいくと袖の端だけ未練たらしく縁に垂らして、後は全部ゴミ袋の中に落ちた。
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