インゴはホラー映画があまり得意じゃなかったな。 まぁ、それは僕らが大分小さかった頃にふたりで部屋の電気を消して見た映画をインゴが怖がっていたというだけで、大人になってからも彼が作り物のテープを怖がっていたかは知らない。
タイトルはすっかり忘れてしまったけれど、あらすじは確か、そう、男が死んでしまった子供と奥さんをある場所に埋めるんだ。そうすると死んだ筈の子供と奥さんは生き返って、男の元に帰ってくる。
なんでかは忘れちゃったよ。でもこの話の一番肝心なところはその後で、生き返った人間は生前とは似ても似つかない邪悪なものになって帰ってくるってとこだったと思うよ。
男のところに帰ってくる奥さんのシーンがまた怖くてさ、泥と土でべっとり汚れて、目なんか飛び出しているし、手には包丁を持っているんだ。真剣な顔をして画面を見ていたインゴが、途端にきゃーって悲鳴をあげて僕に抱きついたっけ。
そのときのインゴがあんまり可愛かったからいつまでもこんな映画を覚えていたのかな。インゴが死んだとき、最初に思ったよ。邪悪になってもいいや、僕のとこに帰ってきてくれるならさ。それで僕はインゴを埋めたんだ。
「インゴ」
僕が声をかけると、ベッドの上の黒い塊はもぞもぞと動いた。これはインゴの形をして雨の日に土の中から帰ってきたもの。映画の中で男は家族を呪われた土地に埋めるんだ。僕は呪われた土地なんて知らないから、事故が多くて廃線になった暗いトンネルの下にインゴの身体を埋めてきた。
本当に帰ってくるとは思ってなかったな。雨の中を歩いて泥だらけのぐちゃぐちゃだったけど、目玉も飛び出してないし、眩しいくらいの金髪も白い肌も僕のインゴで嬉しかったよ。
「インゴ、『エメット』って呼べる?」
「あ、あ゛ー…う、うう゛ー…」
インゴはベッドに転がって緩くもがきながら意味を成さない声を上げている。帰ってきた彼を僕が抱きしめて迎えたときから、インゴは酷く暴れて爪を立てようとしたのでそれからはずっと手足をテープでぐるぐるに巻きにしたままだ。
「インゴ。愛してるって言って欲しいな。」
「えぅ…お、あーー」
噛み付かれてしまいそうで、キスは出来なかった。被さるようにインゴの身体を跨いでシャツを開くとお馴染みの白い肌に薄赤い色の乳首が愛しい。生きている間の彼はここを弄ってやるとなんともいえない色っぽい表情で眉を顰め身を震わせていたけれど。手のひらを触れさせて素肌を弄るとインゴは酷く不快そうな引きつった顔で僕を見る。
「インゴ、インゴ、暴れないでよ」
「あー、う、う、がーっ!」
身体を弄られるのをインゴは嫌がって暴れた。虐待された動物みたいな鋭い声で、喚いてはじたばたと身を捩る。開きっぱなしの口の端からはだらりと涎が伝う。
大きく歪められた人間性の感じない顔を見ているうちにこれはインゴの形をした全く違う生き物なんだと意識させられる。同じ形をしているのにインゴはもっと百倍も綺麗だったし、目の前で喚いているこんなのはただの獣にすぎないと思った。
ああ、急に絶望的な気分だ。爪先で嬲っていた乳首を捩じ切れるくらい強く捻りあげるとインゴの形をした獣が痛みを嫌がって悲鳴をあげた。黒いスラックスの股がじわりと滲んで染みが広がっていく。つんと鼻をさすアンモニアの臭い。
「は、はは…。あーぁ…笑っちゃおう…。」
僕はなんだか悔しくて、ちっともインゴじゃないインゴを無茶苦茶に犯し続けていたよ。
タイトルはすっかり忘れてしまったけれど、あらすじは確か、そう、男が死んでしまった子供と奥さんをある場所に埋めるんだ。そうすると死んだ筈の子供と奥さんは生き返って、男の元に帰ってくる。
なんでかは忘れちゃったよ。でもこの話の一番肝心なところはその後で、生き返った人間は生前とは似ても似つかない邪悪なものになって帰ってくるってとこだったと思うよ。
男のところに帰ってくる奥さんのシーンがまた怖くてさ、泥と土でべっとり汚れて、目なんか飛び出しているし、手には包丁を持っているんだ。真剣な顔をして画面を見ていたインゴが、途端にきゃーって悲鳴をあげて僕に抱きついたっけ。
そのときのインゴがあんまり可愛かったからいつまでもこんな映画を覚えていたのかな。インゴが死んだとき、最初に思ったよ。邪悪になってもいいや、僕のとこに帰ってきてくれるならさ。それで僕はインゴを埋めたんだ。
「インゴ」
僕が声をかけると、ベッドの上の黒い塊はもぞもぞと動いた。これはインゴの形をして雨の日に土の中から帰ってきたもの。映画の中で男は家族を呪われた土地に埋めるんだ。僕は呪われた土地なんて知らないから、事故が多くて廃線になった暗いトンネルの下にインゴの身体を埋めてきた。
本当に帰ってくるとは思ってなかったな。雨の中を歩いて泥だらけのぐちゃぐちゃだったけど、目玉も飛び出してないし、眩しいくらいの金髪も白い肌も僕のインゴで嬉しかったよ。
「インゴ、『エメット』って呼べる?」
「あ、あ゛ー…う、うう゛ー…」
インゴはベッドに転がって緩くもがきながら意味を成さない声を上げている。帰ってきた彼を僕が抱きしめて迎えたときから、インゴは酷く暴れて爪を立てようとしたのでそれからはずっと手足をテープでぐるぐるに巻きにしたままだ。
「インゴ。愛してるって言って欲しいな。」
「えぅ…お、あーー」
噛み付かれてしまいそうで、キスは出来なかった。被さるようにインゴの身体を跨いでシャツを開くとお馴染みの白い肌に薄赤い色の乳首が愛しい。生きている間の彼はここを弄ってやるとなんともいえない色っぽい表情で眉を顰め身を震わせていたけれど。手のひらを触れさせて素肌を弄るとインゴは酷く不快そうな引きつった顔で僕を見る。
「インゴ、インゴ、暴れないでよ」
「あー、う、う、がーっ!」
身体を弄られるのをインゴは嫌がって暴れた。虐待された動物みたいな鋭い声で、喚いてはじたばたと身を捩る。開きっぱなしの口の端からはだらりと涎が伝う。
大きく歪められた人間性の感じない顔を見ているうちにこれはインゴの形をした全く違う生き物なんだと意識させられる。同じ形をしているのにインゴはもっと百倍も綺麗だったし、目の前で喚いているこんなのはただの獣にすぎないと思った。
ああ、急に絶望的な気分だ。爪先で嬲っていた乳首を捩じ切れるくらい強く捻りあげるとインゴの形をした獣が痛みを嫌がって悲鳴をあげた。黒いスラックスの股がじわりと滲んで染みが広がっていく。つんと鼻をさすアンモニアの臭い。
「は、はは…。あーぁ…笑っちゃおう…。」
僕はなんだか悔しくて、ちっともインゴじゃないインゴを無茶苦茶に犯し続けていたよ。
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