お題:うるさい耳 制限時間:15分
「そんなおっきい声出さなくても聞こえますよぉ」
「は?」
凄腕さんは少し眉を顰めて聞き返した後、気がついたように今度は少し静かな声でしゃべった。
「悪い、周りがうるさいからつい、な。」
今度は俺がはぁ?と首を傾げる番だった。今日は静かな夜で、庭でか細く虫が鳴いているのがよく聞こえる。うるさいというには及ばなく思える。俺が素っ頓狂な顔をしていると凄腕さんは曖昧に笑うような顔をした後、指先で俺を近くに招いた。顔の側へ耳を寄せる。
しばらく息の音ばかり聞こえるが、
「あ、」
「聞こえたか。」
俺は嫌な気持ちになった。
凄腕さんの耳元でわーわーと子供が泣いている。ぱんと破裂する音がして火が爆ぜたり瓦礫のつもる音がする。
いっぱい死んでいったからな。
「堪らねぇよなぁ。」
凄腕さんはごろんと横たわった。秋風に晒されて目を瞑った凄腕さんの耳の側に小さな戦場がまとわりついている。
「そんなおっきい声出さなくても聞こえますよぉ」
「は?」
凄腕さんは少し眉を顰めて聞き返した後、気がついたように今度は少し静かな声でしゃべった。
「悪い、周りがうるさいからつい、な。」
今度は俺がはぁ?と首を傾げる番だった。今日は静かな夜で、庭でか細く虫が鳴いているのがよく聞こえる。うるさいというには及ばなく思える。俺が素っ頓狂な顔をしていると凄腕さんは曖昧に笑うような顔をした後、指先で俺を近くに招いた。顔の側へ耳を寄せる。
しばらく息の音ばかり聞こえるが、
「あ、」
「聞こえたか。」
俺は嫌な気持ちになった。
凄腕さんの耳元でわーわーと子供が泣いている。ぱんと破裂する音がして火が爆ぜたり瓦礫のつもる音がする。
いっぱい死んでいったからな。
「堪らねぇよなぁ。」
凄腕さんはごろんと横たわった。秋風に晒されて目を瞑った凄腕さんの耳の側に小さな戦場がまとわりついている。
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