冷血と作法(石田ちゃんとちーたん)

 
 みんながぼくをみておばけって言ったときは驚いたよぉ。だってぼくは幽霊で確かにそこにいたんだもの。
だけどみんなが見てたのはぼくじゃなかった。ぼくが残していったぼくの形見。ぼくの作った人工知能、アルターエゴ。ぼくはそれが入ったパソコンの後ろでふわふわ浮いていたんだぁ。
自分が死んでしまった跡の世界を見れるなんてカンニングをしているみたいだねぇ。ぼくが知るはずじゃなかった未来をぼくは見てるんだもの。ぼくが死んでしまったあとに一番変わってしまったらしいのは石丸くんだった。石丸くんだよねぇ、ぼくに今話しかけているのは。生きてたときの記憶は実は曖昧でぼくはもうきみをちゃんと覚えていないんだ。
だけどぼくはきみの周りのみんながきみに吃驚しているのを見て、きみがもうみんなの知っているきみじゃないのが理解ったよ。
きみは変わっちゃった。変わっちゃったことはいけないことかな。ぼくのプログラムに話しかけるきみはこんなにきらきらしてるのにねぇ。

ぼくは君が元気でいるならそれがいいよぉ。


----------------------------
君のことを耳にしたよ
元気でやってるみたいだね
だけど みんなの知っている君じゃなかった
記憶はコピー機の中に
まるで砂埃みたいだよ
もう ここには既に 体はない
翼だけが空を飛ぶ

血迷って 血迷って
遂には生まれ変われたのかな
今の君はきれいだった


イメージソング:冷血と作法/people in the box
----------------------------
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。