お題:栄光の王 制限時間:15分

 エジプトで芽生えた「時を止める」という能力はどこまででも進化していくように思えた。
うっかりしてひっくり返した缶ビールの水滴を宙に止めたまま、一向に進まない時間の中に承太郎は居た。
いまや承太郎は万物のなにより強かった。
止められる時間はどんどん長くなっている。時のなかで動けるのは承太郎ひとりだ。この世のなににも勝てそうだったが、承太郎には立ちはだかる強敵も守るような友人も居なかった。

 止めたいと思う時間はとうにすぎて戻らない。無意味だ。承太郎は無意味に強くなり続けている。
この時間は今度はどこまで止まるのだろうか。
一時間か二時間か、一週間は過ぎたのか。無限に思える時間の中で「死にたい」と承太郎は思った
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