布団の端が捲くられた。俺が潜り込んで多分2時間くらいか、ようやくぬくぬくと暖まってきたのに持ち上げた布団の端から入り込む冷たい空気が容赦なくシーツの温度を下げていく。寒い。俺が手足を丸めて縮こまっていると、ベッドマットが少し沈んで布団の中へ潜り込んでくる気配を感じた。
「凄腕さん…?」
俺は殆どまだ眠ってるみたいな意識で潜り込んできた体を引き寄せた。薄目を開けて見るといつも不機嫌そうなむすっとした顔はやっぱり凄腕さんで、俺は少し満足した。
「どぉしたんすか…?」
寝惚けたまま手繰り寄せた体はちょっとぎょっとするくらい冷たい。冷たいっすね、と俺が言うと凄腕さんは頷いたみたいだった。
「寒ぃ。」
凄腕さんは迷いの無い動作で俺の、多分凄腕さんよりはかなりぬくぬくで暖かいと思う体に抱きついた。これまで凄腕さんがこんな風に、甘えるような、恋人のような、振る舞いをすることなんてなかったから俺は心臓がドキドキした。本当に、こんな日は珍しくて、凄腕さんはいつも俺が凄腕さんのことを好きでいるのが苦しくなるくらい素っ気無くて俺が何回好きって言っても酷い言葉で跳ね付けていた。だけど今日は一際寒い夜だから、だろうか。そういえば少し前外に出たときは雪が降っていて、海は黒いし夜の堤防沿いは酷く寒かった。冬の黒い、海。
「あれ?…そうだ。」
そういえばどうしてこんなに寒いのに海に行ったんだっけと考えて、俺ははたと気がついた。凄腕さんがこんなに冷たいわけだ。2時間前、薬で眠る凄腕さんに手錠をかけて海に捨てたのは
「寒ぃ。なぁ、寒い。寒ぃ。」
腕の中で愚図るように凄腕さんが寒いと訴え始めた。俺は抱き寄せてしまった冷たい体をこれからどうしようか考えていた。
「凄腕さん…?」
俺は殆どまだ眠ってるみたいな意識で潜り込んできた体を引き寄せた。薄目を開けて見るといつも不機嫌そうなむすっとした顔はやっぱり凄腕さんで、俺は少し満足した。
「どぉしたんすか…?」
寝惚けたまま手繰り寄せた体はちょっとぎょっとするくらい冷たい。冷たいっすね、と俺が言うと凄腕さんは頷いたみたいだった。
「寒ぃ。」
凄腕さんは迷いの無い動作で俺の、多分凄腕さんよりはかなりぬくぬくで暖かいと思う体に抱きついた。これまで凄腕さんがこんな風に、甘えるような、恋人のような、振る舞いをすることなんてなかったから俺は心臓がドキドキした。本当に、こんな日は珍しくて、凄腕さんはいつも俺が凄腕さんのことを好きでいるのが苦しくなるくらい素っ気無くて俺が何回好きって言っても酷い言葉で跳ね付けていた。だけど今日は一際寒い夜だから、だろうか。そういえば少し前外に出たときは雪が降っていて、海は黒いし夜の堤防沿いは酷く寒かった。冬の黒い、海。
「あれ?…そうだ。」
そういえばどうしてこんなに寒いのに海に行ったんだっけと考えて、俺ははたと気がついた。凄腕さんがこんなに冷たいわけだ。2時間前、薬で眠る凄腕さんに手錠をかけて海に捨てたのは
「寒ぃ。なぁ、寒い。寒ぃ。」
腕の中で愚図るように凄腕さんが寒いと訴え始めた。俺は抱き寄せてしまった冷たい体をこれからどうしようか考えていた。
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